1 不在者財産管理人とは

従来の住所や居所を離れ、容易に戻る見込みのない者(不在者)に代わり、その財産を管理・保存する者です。
家庭裁判所が選任します(民法25条、26条)。

2 不在者財産管理人の選任申立ての方法

家庭裁判所に対して、不在者財産管理人の選任を申立てることができます(民法25条)。
裁判所が要件を満たしていると判断した場合、財産管理人が選任されます。
選任された管理人は遺産分割協議に参加できます。
不在者財産管理人の選任申立書は、裁判所のホームページから入手できます。
申立てには収入印紙800円および所定の郵便切手代が必要です。
(裁判所のホームページに遷移します。)
裁判所のホームページ

3 不在者財産管理人になれる人

不在者財産管理人として、不在者の近親者などを選任するよう申立てが可能です。
ただし、遺産分割協議に利害関係がある者(例:他の相続人)は選任されません。
必要に応じて、裁判所が弁護士や司法書士を選任することもあります。

弁護士・司法書士

4 不在者財産管理人の仕事

不在者財産管理人は、不在者の財産を維持・保存・利用・改良する職務を担います(民法103条)。
権限外の行為を行うには、家庭裁判所の許可が必要です(民法28条)。
なお、遺産分割協議への参加は権限外の行為にあたるため、別途「権限外行為許可申立書」が必要です。
権限外許可の申立書の記載例については、以下をご参照ください。
(裁判所のホームページに遷移します。)
権限外許可申立書の記載例

5 不在者財産管理人参加の遺産分割協議

では、不在者財産管理人は、不在者を代理して遺産分割協議に参加することができるのでしょうか。
実際には、ある程度法定相続分に従った遺産分割の協議となることが多いように思います。
これは、不在者財産管理人の制度の趣旨が不在者に代わって財産を保護することがその目的であることから、不在者が不当に利益を侵害されないように裁判所としても配慮する必要があるからだと思われます。

6 不在者財産管理人の報酬

不在者財産管理人に選任された者は、定期的に裁判所へ財産管理の状況を報告する義務があります。
不在者のために尽力した管理人には、その労務に対して報酬が支払われます。
裁判所が報酬の支払いを決定し、その費用は不在者の財産から支払われます。

 
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