【事例紹介】遺産分割審判で依頼者も気が付いていなかった黙示の持ち戻し免除の意思表示を弁護士が主張し認められた事例
法律相談事件の概要
現在本人同士で遺産分割調停を進めている。こちらは、被相続人が生きているときに900万円の贈与を受けている事が証拠上明らかなので、それを前提に調停の話が進んでいる。
調停委員さんから、弁護士をつけたらどうかと言われた。
※実際の事例が特定できないように、事案の詳細を少々変更しています。
弁護士の関与
事件受任後に、当事者の関係者から聞き取りをしていたところ、贈与を受けた当時、相続人が働けなかった事などの事情を聴きとることができた。
かかる事情は黙示の持ち戻し免除の意思表示にあたることに弁護士が気づいたため、すぐに審判において、黙示の持ち戻し免除の意思表示を主張した。
当事者である本人はかかる事情が審判において有利に判断されるなどは全く気が付いておらず、本人で調停審判を進めているときは裁判所に主張していなかった。
審判
審尋において、相続人の当時の就労状況や疾患の状況などを詳細に主張。
黙示の持ち戻し免除の意思表示が審判で認められた。
これにより、相続分900万円増額での審判成立となった。
終結までに要した期間
約1年を要しました。
関連判例
昭和51年4月16日東高民報27巻4号90頁、判タ347号207頁