はじめに

不動産オーナーが直面する相続の悩みは多岐にわたります。
複数の物件や土地を保有しているがゆえに、一般的な相続とは異なる、特有の複雑な問題が生じがちです。
認知症による判断力低下への備え、高額になりがちな相続税、そして家族間のトラブルなど、多くのオーナー様が不安を抱えています。

目次

1 不動産オーナーが対策すべき3つの課題

(1)認知症や判断力の低下による問題

オーナー自身の判断力が低下すると、財産や金銭の管理が難しくなり、悪意のある人物による不正リスクが高まります。
また、新しい契約を結んだり、遺言を作成したりしても、その法的効力が無効となる可能性も出てきます。

家族であっても、法的な代理権がなければ、本人に代わって手続きを行うことはできません。
このような事態に備えるためには、後見制度や家族信託、任意後見契約などを生前に利用することが非常に重要です。
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認知症検査を受ける人

【実際にあったケース:急な手続きができず困窮】

長年、複数のアパートを経営してきたAさん。
年齢を重ね、ある日認知症と診断されました。

息子さんは、父が病気になってからもアパートの経営を続けていくため、老朽化した物件の修繕契約を結ぼうとしました。
しかし、アパートの管理会社から「本人の意思能力が確認できないため、息子さんとの契約は結べない」と断られてしまいます。
さらに、家賃収入が振り込まれる父の銀行口座も、家族が自由に管理することはできませんでした。

生前に財産管理の対策をしていなかったため、父の資産をスムーズに運用できず、家族はアパートの維持費や父の入院費用を捻出するのに苦労することになりました。

(2)不動産特有の相続問題

不動産は、現金のように簡単に分割できません。
複数の相続人で共有にすると、意見の対立から売却や管理の方針が決まらず、紛争に発展しやすくなります。

また、不動産は評価額が高額になりやすく、その結果として相続税の負担も増大しがちです。
相続税を支払うための納税資金が不足し、大切な資産を手放さなければならなくなるケースもあります。
さらに、相続後も固定資産税や 修繕費、管理費といった継続的な費用が発生し続けることも忘れてはならない課題です。

【実際にあったケース:遺産分割で兄弟が対立】

Bさんは、父が遺した実家と賃貸アパートを兄と弟の3人で相続することになりました。
兄は「代々続く実家は長男が継ぐべき」と主張し、弟は「賃貸収入があるアパートを単独で所有したい」と主張。
Bさんは、他の財産を現金で受け取って公平な分配を望みましたが、不動産の評価額を巡って3人の意見は対立し、協議は一向に進みませんでした。

最終的に、弁護士を交えた調停で不動産の公平な評価額を算定し、それぞれの希望に沿った遺産分割方法を模索することになりました。
不動産が持つ「分けにくさ」が、家族間の話し合いを困難にしていた典型的な事例です。

(3)家族間のトラブル

不動産の相続は、家族間の感情的な対立を生みやすい分野です。
「実家は長男が継ぐべき」といった慣習や、「自分は生前、親の介護をしていたから多めに受け取るべき」といった主張がぶつかり合い、公平な遺産分割が困難になることがあります。
特に不動産は、その評価方法を巡って大きな争いに発展するリスクをはらんでいます。

家族間の感情的な対立

【実際にあったケース:遺留分と特別受益を巡る争い】

Cさんの父は、生前に「すべての財産を長男であるCに相続させる」という遺言書を作成していました。
父の事業を手伝ってきたCさんは、当然の権利だと考えていました。
しかし、遠方に嫁いでいた妹が「父の介護に何度も帰省し、精神的な支えになってきた。遺産がゼロなのは不公平だ」と、遺留分侵害額請求を行ってきました。

さらに、妹は「兄は過去に父から事業資金の援助を受けている。
あれは特別受益だから、その分を遺産に含めて計算すべきだ」と主張。
Cさんは、父からの援助は単なる借金だと考えていたため、妹の主張に強く反発しました。

このように、家族間での生前の金銭のやりとりや貢献が、遺産分割を複雑にする大きな火種となることがあります。

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2 不動産オーナーが今すぐ取り組むべき対策

これらの課題を解決するためには、早期からの対策が不可欠です。

  • 遺言書信託契約で、誰にどの物件を遺すのかを明確にし、トラブルを未然に防ぎます。
  • 生命保険生前贈与を活用して、納税資金を確保したり、特定の相続人に財産を計画的に分配したりします。
  • 法人化を検討し、財産を整理・管理することで、効率的な資産運用につなげます。
  • 家族信託任意後見契約を利用して、認知症になった後の財産管理や、相続開始後の円滑な手続きに備えます。

3 不動産オーナーこそ弁護士に相談するメリット

相続対策は、税務、登記、法律が複雑に絡み合うため、一貫したサポートが不可欠です。
弁護士は、財産の正確な調査、遺言書の作成、信託設計、さらには紛争解決のための調停や訴訟まで、一貫して対応することができます。

ニライ総合法律事務所は、遺産分割や遺留分侵害など、相続紛争の解決に特に力を入れています。
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