弁護士法人ニライ総合法律事務所 沖縄県那覇市西1-2-18 西レジデンス2-B

寄与分

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寄与分とは?

寄与分とは,遺産の維持・増加に貢献した「相続人(寄与分が認められるのは相続人に限られています。)」について,その貢献度に応じて,他の相続人に比して具体的相続分を多く認めるという相続人間の公平を保つための制度です(民法904条の2第1項)。

第904条の2
  1. 共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第900条から第902条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。

具体的には、相続人のうち、被相続人の介護をした人や、被相続人の生前の稼業を手伝った人、被相続人に対してまとまった金銭の給付をしていた人などが対象となります。

寄与分が認められる要件

(1)相続人自身の寄与があること(相続人の妻による介護を寄与分に含められるか)

寄与分はあくまで相続分がある人の相続分算定の修正なので、民法は相続人に限定しており、相続人の配偶者であるとか子どもが直接寄与分を主張することはできません。

もっとも実務においては、相続人と一定の関係にある人(妻や子)の被相続人に対する貢献を、、相続人の履行補助者による寄与と評価して、相続人の寄与分額を増額するような考え方があります。

(具体例)

①相続人の長男が相続人と一緒に被相続人の会社で働き、相続財産の維持形成に貢献した。

②相続人の配偶者が、被相続人と一緒に農業に無報酬で従事した場合

③相続人の配偶者が、被相続人の家で同居して、重度の被相続人を自宅介護した。

(2)「特別な寄与」であること

民法は、寄与分を認めるには特別の寄与を必要としています。家庭局「改正民法及び家事審判放棄の解釈運用について」(家月33巻4号2頁)によると「被相続人と相続人の身分関係に基づいて通常期待されるような程度の貢献は相続分事態において評価されているとみることができ、特にこれを相続分の修正要素として扱う必要はないこと、また、通常期待されるような程度の貢献をも寄与分と評価し相続分の修正要素とみることは「相続分」をきわめて可変的なものにすることになり権利関係の安定を著しく害するおそれがあることなどから、通常期待されるような貢献は寄与分として評価しない」としています。

※特別の寄与とは言えないものの具体例

夫婦間の協力扶助義務(民法752条)親族間の扶養義務・互助義務(民法877条1項)の範囲内の行為

(3)被相続人の遺産が維持又は増加したこと

①「維持」相続人の行為によって相続財産が経ることを阻止できたか、借金などの増加が防止できた。

②「増加」相続人の行為がなかったら生じなかったような相続財産の増加か借金などの消極財産の減少したこと。

のどちらかが必要になります。

寄与分は簡単には認められない。

寄与分の主張については、例えば要介護度合いが低い被相続人を介護しただけでは認めらなかったり、また、稼業の手伝いもある一定以上の助力を具体的に証明していく必要があり、上記に当てはまるからと言って直ちに認められるものではないという事に注意が必要です。

そもそも、主張して認められるものなのか、そしてさらにその主張を裏付ける証拠となるものは何なのか、この点は遺産分割調停さらには審判を多数担当した弁護士でなければなかなか判断が付きにくいところだと思います。あまりにも認められにくい主張に固執するといたずらに解決が長引くだけです。ちなみに、遺産分割調停は2年ぐらいかかる事などもざらにあります。

寄与分を主張したいと考えられる方も、必ず寄与分獲得についての実績がある弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人ニライ総合法律事務所の寄与分獲得の事例紹介についてはこちら

寄与分の計算の仕方

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例えば,親が亡くなった場合,親の面倒を見た,あの時,助けてあげたということは相続人であれば,皆が主張することも多いため,何をもって寄与があったとするのか,また,どのように計算するのか,その計算方法が重要となります。

まず,民法上,寄与があったとされるのは,

(1)被相続人の事業に対する労務の提供。
(2)財産上の給付。
(3)被相続人の療養看護

が典型的な例です。

他にも
(4)どのような態様によるかは問わず,被相続人の財産の維持・増加について特別の(夫婦の協力扶助義務や親族の扶養義務の範囲を超えるような)寄与がある場合も寄与があるとされます。

あくまでも,被相続人の財産の維持・増加について,特別の寄与があるとされる場合に限られるということです。

また,寄与分に関しては,遺産分割の手続きの中で,相続人同士で決めることも出来ます。ですが,相続人同士で争いが生じた場合に寄与分の額を認めることが無い事も多く,その場合は裁判所による審判で定めてもらうことが出来ます。
以下にそれぞれの場合について,裁判所においては,どのように計算を行うかを見ていきます。

介護・療養看護型寄与分

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療養看護型の評価方法

(1)療養看護行為の報酬相当額(日当)に看護日数を乗じ、それに裁量割合を乗じて計算するのが一般的な方法とされます。

実務においては、要介護者の受けた介護サービスの内容、居住地などを考慮して介護報酬を算定したものを参考に療養看護の寄与分を算定しています。

(2)裁量割合
通常は0.5から0.8程度の間で修正されており、0.7あたりが平均的な数値と思われます(遺産分割・遺留分の実務)。

(3)看護者が複数の場合
各寄与主張者らが担当したとみられる介護時間数に応じた負担割合で配分し、各寄与主張者の寄与分額とする方法等が考えられます。

(4)介護報酬に基づく身体介護報酬額
※要支援1・要支援2・要介護1までは通常寄与分は認められない。
要介護2・3 日当5840円×0.7(裁量割合)=4088円
要介護4   日当6670円×0.7(裁量割合)=4669円
要介護5   日当7500円×0.7(裁量割合)=5250円
入院付き添い 6500円(赤い本)2015年p15

稼業を手伝った場合の寄与分-被相続人の事業に対する労務の提供の場合

典型的なものは農業や自営業を夫婦・親子が協力して行うような場合です。

家業従事型の寄与の算定は困難なことが多いことから,寄与の時期,方法及び程度,相続財産の額その他一切の事情を考慮し,裁量的に寄与分が算定されることが多い傾向にあります。

中には,その作業により合理的に算出される労務対価(いわゆる給与相当額)より算出すべきと判断した例などもありますが(東京高決昭和54年2月6日判時931号68頁),基本的には,家業をどの程度の期間助けてきたのか,またその役割の大きさはどの程度のものかということで,1割から5割程度の割合の中で,裁判所の裁量により定められる場合が多くみられます。

財産上の給付の寄与分

被相続人に対し,財産上の利益を給付する場合です。

被相続人の事業と無関係になされたものであっても,寄与分が認められる場合などがあります。

典型的なものとしては,共働きの夫婦のケースなどです。共働きの夫婦の一方が,一方名義の財産を残して(仮に夫名義での財産であるとします。),亡くなった場合だと,その財産は,働いてきた妻の収入も利用して購入されたものである訳ですから(実際には妻の収入は生活費として使用されているだけであったとしても,その分,夫は収入を全て財産の購入に回せたという意味では,財産の増加に寄与したものといえ),その財産については,妻の収入と夫の収入を対比した上で,寄与分が認められることになる訳です。

例えば,妻が夫と,ほぼ同じ額の収入を得て,ローンを支払っていたにも関わらず,共同で購入した家を夫名義にしていた場合などは,その家について5割程度の寄与分が認められるということになるかと思われます。

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