〇遺産分割をしようと思ったら相続人の1人が音信不通になってしまっています。このような場合遺産分割の協議はできないのでしょうか。

〇遺産分割の協議は共同相続人の全員が参加しなければできないのでこれに反する分割協議は無効とされています。それでは行方不明者がいた場合はどのように分割協議をすれば良いのでしょうか。

 

A.まず、家庭裁判所に不在者のための財産管理人の選任申し立て(民法25)をすることが考えられます。裁判所は要件を充足している場合は財産管理人を選任します。選任された財産管理人が遺産分割協議に参加することができます。

 

※不在者財産管理人の選任申立書は裁判所のホームページで取ることができます。収入印紙800円と定められた郵便切手代で申立ができます。

→  http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_05/

 

[不在者財産管理人] 

不在者財産管理人には、不在者の近親者などを選任するように申し立てることができます。しかし財産管理人自身が遺産分割協議に利害関係がある場合は、裁判所は不在者財産管理人にかかる利害関係人を選任する事はありません。裁判所は場合によっては弁護士や司法書士を不在者財産管理人に選任することもあります。

  不在者財産管理人は不在者の財産を維持して保存、利用、改良行為をすることが原則となっています。したがって、遺産分割の協議に同意するには家庭裁判所の許可が必要となります(民法28103)

  実際には、ある程度法定相続分に従った遺産分割の協議となることが多いように思います。これは、不在者財産管理人の制度の趣旨が不在者に代わって財産を保護することがその目的であることから、不在者が不当に利益を侵害されないように裁判所としても配慮する必要があるからだと思われます。

  不在者財産管理人選任された人は定期的に裁判所に不在者の財産の管理の報告ことになります。もっとも不在者のために働いた財産管理人は、その働きによって報酬をもらうことができます。裁判所は不在者財産管理人に対し報酬を支払うことを決定します。この報酬は不在者の財産から支払われることになります。

  連絡が取れない人が、失踪してから7年間生死不明の状態となっているときは家庭裁判所に申し立てて、失踪宣告の審判をしてもらうことができます(民法30)